こんにちは!Sunnysideです。
タイ旅とバンコク街歩きが大好きで、夫と2人の子どもたちとタイ国内を色々と巡り、77県中76県を訪れました。
今回は、イサーンのナコーンパノムのお祭り「ラーイルアファイ」について紹介します。
タイの東北(イサーン)地方のナコーンパノムでは、旧暦11月の満月の日(出安居:オークパンサー)にお祭りが行われます。
オークパンサーは、仏陀が安居を終えて地上に戻った日のことで、ナコーンパノムでは、舟を美しく装飾することで、その敬意を表すそうです。
祭りは数日間にわたって行われますが、ハイライトは、オークパンサーの日に行われる光のボートパレード「ラーイルアファイ」。ラーイルアファイは、タイ語で「光の船を流す」という意味。
12艘ものボートがあたたかな光に彩られ、メコン川を下っていく姿は圧巻!タイのお祭りの美しさを心から感じさせます。
この記事では、ナコーンパノムの光のボートパレード「ラーイルアファイ」を、その準備の様子や舞台裏も含めて徹底紹介していきます!
2023年のお祭りのスケジュール
2023年のお祭りのスケジュールはこちら。ハイライトの光のボートパレードは29日(日)になります。
10月19日(木)開会式
10月20日(金)~28日(土)お祭り開催期間
- ナコーンパノム県庁舎前のステージで、展示会、物産展、ステージパフォーマンス、伝統芸能など
- 夜に毎日 1~2 隻の光のボートがメコン川を流れる
10月29日(日)オークパンサー当日
- ワット・プラ・タート・パノムで踊りの儀式(朝)
- 12艘の光のボートパレード(夜)
10月30日(月)
- ナーガ像前の広場で儀式(※ロングボートレースについては確認中)
ナコーンパノムの場所と行き方
バンコクからナコーンパノムへの移動は、主に下の2つの方法があります。
飛行機で行く
ドンムアン空港からエアアジア又はノックエアでナコーンパノム空港へ行く(所要時間約1時間10分)
長距離バスで行く
バンコク北バスターミナルから行く(所要時間約12時間)
飛行機で行く場合、ナコーンパノム空港にリムジンサービスがあり、市内まで100バーツで行くことができます。
タクシーチャーターもありました。
長距離バスで行く場合も、ナコーンパノムのバスターミナルにタクシーがあります。
ナコーンパノムは、イサーン地方の中では、比較的移動がしやすい印象です。
ラーイルファイ お祭りの様子
灯りのとりつけ
オークパンサーの日の満月の夜に光のボートパレードが行われるのですが、その前日に観光していたところ、ボートの建造現場に出くわしました。
この様子がまたすごく素敵だったので、まずはそこからお伝えしますね。
- 光のボートが並ぶ場所
- 屋台がずらりと並ぶ通り
- お祭り会場(屋台、移動遊園地など)
光のボートパレードは、セント・アンナ・ノンセーン教会付近から、市内中心地に向かって、メコン川の川岸に12艘並びます。そして、ナーガ像の方に向かって流れていきます。
私がオークパンサー前日にセント・アンナ・ノンセーン教会を訪れたとき、向かいの川岸では舟の骨組みが組まれ、最後の準備をしている最中でした。
「ボート」というから、もっと小さなものを想像していたのですが、頭上の遥か上まで組まれた骨組みを見てびっくり!右下が完成図のようです。
大きさは幅88メートル、高さ26メートル。26メートルというと、なんとビルで8階くらいの高さ!
図面には、真ん中にナコーンパノムの象徴であるラオス式の仏塔、右にラーマ10世、左にはナーガ像や実りの稲穂などがあしらわれています。
ボートにどんな風に灯りをともすのか、その仕組みも気になっていたので、作業をしていた方に見せていただきました。
「はい!これが灯りです」
って、空き缶???
なんと、大量の空き缶にアルコールランプの芯のような縄を入れて、そこにアルコール?油?の様なものを注いでいました。
てっきり電飾か何かなのかと思っていたので、びっくり!
外側で燃えやすいようにか、缶の周りをラップの様なもので巻くようです。
針金で包み、吊るせるようになった空き缶は、道路から川岸に運ばれます。ロープにバケツを吊って、ロープウェイのように船まで届けられていました。
やりかたが原始的で見ていて飽きない
缶はひとつひとつ、図案に沿って人の手で並べられていきます。
竹の足場に、命綱なしでのぼっていく作業の人たち。落ちたりしないか、見ているこちらがハラハラしてきます。
手で丁寧にひとつひとつつけられたこの缶が、お祭り本番では灯りになるのかと思うと、何ともいえず胸が熱くなってきました。
準備の段階から、本当にたくさんの人がかかわっているお祭りなんですね。
明日の本番が楽しみです!
ロングボートレース
ナコーンパノムの市内は、トゥクトゥクが走っています。特にお祭り期間中は近隣から駆けつけてきたのか、たくさんのトゥクトゥクを目にしました。
宿からお祭り会場に向かおうと思ったところ、ナーガ像の南側で通行止めにあってしまいました。どうやら午後からボートレースが行われていたようです。
ナコーンパノムで素敵なのは、メコン川沿いの道路が綺麗に舗装されていて、とても歩きやすいところ。
この時は、沿道に多くの人が集まっていました。
このように、沿道から川にかけて階段状になっているので、そのまま観覧席になるんです。
すごくいい作り!
船着き場からは、先ほどレースを終えたばかりの勇士たちが、オールをもってボートからあがってきました。
こちらは次のレースの人たちでしょうか。よく数えると40人以上乗ってます。すごく長いボートですよね。
目の前を駆け抜けていくロングボートは、思っていたよりずっと早く流れるようで、見ていて惚れ惚れしてきます。
レースは、地元の人たちがたくさん集まって応援していました。お坊さんも観戦しているというのがまたいいですよね。
タイは各地でロングボートレースが行われますが、なかなか目にする機会がなかったので、ここで行われていてラッキーでした。
ナイトマーケット
ボートレースが行われていた場所から北上して、ナコーンパノムの市内中心まで歩きました。
沿道はずっと屋台が並び、どこもかしこもお祭りムードです。
ちなみにナコーンパノムでは毎週末、この辺りでナイトマーケットが開催されます。
市内中心のワット・ポー・シーのあたりは、移動遊園地になっていました。なかなかに大規模です。
このバウンス系の遊び場が、子供たちは大好き。
制限時間があるのですが、タイ人は基本的に緩いので、気が付けば時間を超過して何十分も遊んでいることも。
お寺のすぐ横に、こういう遊園地を敷いてしまえるところが、タイのおおらかさですよね。
それにしても、通りという通りがすべて歩行者天国になっていて、県中からかき集めてきたの?とおもうくらいの屋台が出ています。
ナコーンパノム市内中心にあるナーガ像。ナーガ像はナコーンパノムのシンボルです。
ナーガ像周辺は、お祭り用に美しく装飾されていました。
野外ステージでは、式典やトークなどが行われている模様。
そしてこちらでは、川に流すための小さな舟が作られていました。
こちらがその舟。バナナの茎でできた舟に、花と願い事が書かれた紙と線香がのせられています。
あれ?これロイカトンだったっけ?と思ってしまった。ナコーンパノムではオークパンサーの日にこういう儀式が行われるのか
すぐ横で、たくさんの舟を作っている人たちがいました。
タイのお祭りは、舞台裏というか、タイの人たちが制作している姿を見られるのも、醍醐味のひとつなんですよね。
お祭りの喧騒から少し距離を置き、メコン川の階段を下りて、川岸近くまで行ってみました。
ふとメコン川をみると、月夜に流れる無数に灯りがありました。
これホント、ロイカトンとおんなじだなあ!!
そして、光のボートもひとつ、上流から流れていました。
本番のボートより少し小ぶりですが、この光のボートはお祭りの開催期間中、毎日ひとつかふたつ流れるそうです。
練習を兼ねているのかな?
明日の本番が楽しみになる、前日夜のナイトマーケットでした。
ワット・プラタート・パノムのパレード
ワット・プラタート・パノムは、市内から車で1時間程南に行ったタートパノムという町にある、ラオス式の白い仏塔が美しい寺院です。
オークパンサー当日は、朝からこちらのお寺でパレードがあるということで訪れてみました。
寺院に入る門の前の広場がお祭り会場になっています。一面に赤いじゅうたんが敷かれていました。
音楽を担当する学生さんたち。地元の方たちが参加するためか、本当にたくさんの方たちが記念写真を撮っていました。
門の中に入ると、ワット・プラタート・パノムの仏塔の周りに聖布を巻く参拝者たちがいました。
このお寺は、この高さ52メートルの仏塔が非常に美しいです。
パレードが始まってしまうと門が閉まってしまうようなので、訪れたら早めに参拝しておきましょう。
会場の奥側には来賓やお坊さんが座る天幕がありました。
幸い席をとることができたので、座りながらパレードが始まるのを待ちました。
朝8時。音楽とともに外門から、美しいタイ衣装を身にまとった方たちが入場してきました。こちらは、タイらしいオレンジを基調とした女性たち。
ナコーンパノムの8つの地域から集まり、舞踏を披露するようです。
お次は、濃いめの赤が美しい一団。
青い衣装の人たちは、タイの花をもって入場してきました。
衣装が団ごとに鮮やかに変わるので、見ていて飽きません。
入場の様子を見ていると、会場はいつの間にかびっくりするほどの人出になっていました。
全員が出そろったところで、赤いじゅうたんに座っていきます。これほどの規模の衣装集団を見るのは初めてで、壮観の一言!
開会の挨拶のようなものがしばらく流れた後、舞踏が始まりました。
ダンスだけでなく、踊りながら演舞をするような人たちも。グループごとに音楽の雰囲気も変わり、各々の個性をアピールしていきます。
踊りは午前中いっぱい繰り広げられました。
灯りつけ
オークパンサー当日の夕方、いよいよ光のボートのパレードが始まります。
どんな風に灯りがつけられるのか気になったので、昨日訪れた場所に、17時過ぎに行ってみました。
昨日とは一風変わって、沿道には、明かりがつくのを待っている人たちが大勢いました。
絵の形になった針金にたくさんの缶が吊るされています。この一つ一つが光の点になるんですね。
それにしても、見てください、この密集した大量の缶!!
これが全部人の手でとりつけられたのかと思うと、この祭りにかける思いが伝わってきてグッときます。
図面の頭頂部分で待機する作業の方。高さ26メートルってかなりの高所だと思うのですが、命綱もつけてないです。
無事にボートが出発できますように
光のボートパレード・フェスティバル
どこで点火が始まるのか、どんな風に点火されるのか、気になって舟のあちこちをウロウロしながら待ちました。
待機している人たちも、本当に一日がかりです。
そして18時頃、いよいよ一番奥(北側)の舟から点火が始まりました。
そしてまたまたびっくり!てっきり導火線みたいなもので火が広がっていくのかと思いきや、点火もひとつひとつ手で行われていきます。
だからあんなにたくさんの人が待機してたのか!!
舟の各所で灯りがひとつずつつけられ、絵が浮かび上がっています。
この過程が本当に美しく、心動かされる光景でした。
だんだんと暗くなっていく中、丁寧に火をつけていく人たち。熱くないのか、危なくないのか、少しハラハラした思いで見守ります。
こちらの舟は、点火をする人たちの服が赤に統一されています。また見ごたえがありますね。
点火は複数の船で行われるので、少し目を離したすきに別の船では絵がどんどん出来上がっていて、目移りしてしまう美しさ。
どれも見たくてたまらなくて、行ったり来たり
オークパンサーの満月を背景に、浮かび上がっていく光のボートの絵。
このお祭りの本当の美しさは、完成されたボートだけでなく、作り上げていく人たちの姿にあるのではないかと思わされます。
絵は、もうすぐ完成というところまできています。こうしてみると、小人さんたちが火をつけて回っているようにも見えますね。
こちらの絵も完成間近。
こうして見本の図案と比べると、本当に細かいところまで緻密に光の点で描かれているのがわかります。
ほぼ完成した光のボートたち。
そして19時半ごろ、ようやく最初の光のボートが出発しました。満月を背景に映し出される光の絵と、あかあかと水面に映る姿。
息を呑むほど美しいのに、川をどんどん流れていくので感動がおいつかない!!
光のボートは、ナーガ像の方に向かって進んでいきます。
あわてて舟を追いかけようと思ったら、メコン川沿いに、まだまだ制作中のボートがあることに気が付きました。
このあたり一帯に、間隔をあけながら12のボートが配置され、セント・アンナ・ノンセーン教会の辺りが起点で、一番上流から順番に出発するようです。
点火中の舟の背後を、完成した舟が流れていきます。
どんどん追いかけます。こちらの舟は、まだ点火もされていません。
ナーガ像に近づくにつれ、どんどんと人が増えてきました。全てのボートが通るのを待つと、かなり夜遅くになりそうですね。
ボートを追おうにも、人ごみで全く身動きできなくなるほどになってきたので、迷子にならないように、退散することにしました。
光のボートを追いかけるように流れる、バナナの舟。満月も美しく、忘れられない景色になりました。
私達の宿泊していた宿は、市内から車で10分程の場所にあるので、トゥクトゥクを探して大通りまで歩いてみました。
こちらの方も、まだまだ屋台エリアが続いています。
どれだけ規模の大きいお祭りなんだ!!
もともと通りの両側にあるお店が、期間中はお祭り仕様にしている様で、メコン川近くの屋台よりも規模が大きめなお店がたくさんありました。
ようやくトゥクトゥクをみつけ、帰路に就くことができました。
おまけ
私達が宿泊したのは、フォーチューン リバービューホテル。ナコン市内中心地から車で5分程の場所にあります。
夜遅くにこちらに戻ったところ、思いもよらないサプライズがありました。
なんと、このフォーチューン リバー ビュー ホテルの前が、光のボートパレードのゴール地点だったようです。
疲れがふっとんで外の川岸まで行ってみると、光のボートは既に灯りが半分くらいが消えかけ、名残りを惜しむように見つめる人たちがいました。
写真左上に、小さな船があるのがわかりますか?
これ実はラオスの町ターケーク側で行われている光のボートパレードなんです。規模こそ違えど、川の両側で同じ伝統行事が行われているんですね。
ラオス側の人たちも、きっとナコーンパノムのボートを楽しく見ていただろうな
お祭り会場では12艘全てのボートは見ることができなかったので、ここで全部見られて本当に良かったです。
炎が少しずつ消えていく姿も祭りの終わりを感じさせ、ジンときました。
お祭り期間中は、フォーチューン リバービューホテルでの宿泊を本当にオススメしたいです。
\このホテルの宿泊料金をチェック/
まとめ
いかがだったでしょうか。
光のボートそのものの美しさもさることながら、これらの準備から点火まで全て人の手で行われているという行程を目にすることで、タイの人たちがお祭りにかける時間や想いを感じ取ることができました。
本当に素晴らしいお祭りでした。
もしタイミングが合えば、是非この美しい光のパレードを見に、ナコーンパノムまで足を運んでみてくださいね。