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バンコク育児

発達支援に不安を抱えるタイ在住のママ・パパへ。知ってほしい現状と支援の輪

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この記事は、タイで子育てをしている方、またはこれからタイで子育てを始める予定の方に向けて書いています。

もし、お子さんの発達に気になる点が出てきたとき――

「日本で受けられるような支援が、タイでも受けられるのだろうか?」
「タイには、どんなサポートがあるのだろう?」

そんなふうに不安に思う方もいるのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、日本のように公的な発達支援制度は、タイにはまだ十分に整っていません

ですが、困っている親子のために、どうにか力になりたいと奮闘している方々がいらっしゃいます。

今回は、そのお一人であるりょうこさんに、タイにおける発達支援の現状についてお話を伺いました。

今の私にできることを信じてータイでのボランティア活動

ご自身の出産をきっかけに、子どもの発達支援の世界に入ったりょうこさん。

「療育保育士の仕事を通じて、個性豊かな子どもたちの成長を、親御さんと一緒に見守ってきました。

嬉しいことも悔しいことも含め、子どもたちとたくさんの時間を共有し、とてもやりがいを感じていました。」

そんなりょうこさんですが、2021年、夫の仕事の都合でタイに住むことに。

生活が落ち着いた2023年10月からは、日本での経験をタイでも活かせたらと、発達に気がかりのあるお子さんとご家族へ向けたボランティア活動をスタートされました。

タイでの活動のきっかけをくれたのは、子どもに関わる仕事をされている、とある先生だったんだそうです。

「最近、発達が気になる子どもが増えていると感じている。保護者の不安の声も多く、今後はより専門的な支援が必要になる。あなたの力が必要だよ」

その言葉に背中を押されたりょうこさん。

“今の私にできること、私だからできること”を信じて、月に一度のプレイグループやイベント、個別セラピー、幼稚園訪問など、さまざまな活動に取り組んでこられました。

2025年1月に本帰国し、今は日本から遠隔でタイでのサポートを続けています。

タイの発達支援の現状

タイには、日本のような公的な発達支援制度は、まだ十分に整っていません。

そもそも「発達支援」とは、子ども一人ひとりの発達の状態や特性に応じて、

「今、感じている困りごとを軽減すること」
「将来的な自立や社会参加を支えること」

この2つを目的とした支援のことです。

日本では、乳幼児健診をはじめ、児童発達支援センターや子育て支援センターなど、地域ごとに相談できる場所が整備されています。

一方で、タイでの生活では、そうした支援にたどり着くこと自体が非常に難しいのが現状です。

りょうこさんがこれまでサポートしてきたご家庭の中にも、

「タイに来る前、不安に押しつぶされそうだった」「必死になってお子さんを受け入れてくれる幼稚園を探した」

と話してくださったお母さんがいらっしゃったそうです。

というのも、タイには発達障害のあるお子さんの受け入れを行っていない園が多くあるのです。

仮に受け入れ可能な園が見つかったとしても、園の先生たちも対応に悩んでいたり、相談先がなかったり、支援に関する研修の機会が乏しいという課題があります。

日本のように、園が「加配の先生(支援スタッフ)」をつけてくれるケースは、タイではほとんどありません。

そのため、個別に「シャドーティーチャー(付き添いの支援員)」を探す必要があり、その費用は高額で、言語も英語での対応になることが多いのです。

さらに、バンコク日本人学校には支援級(特別支援学級)があるものの、受け入れ人数には限りがあり、選択肢は非常に限られています。

その結果、「日本に帰国する」もしくは「英語環境の学校に通わせる」という選択をせざるを得ないご家庭も少なくありません。

タイで発達支援が受けられる場所

ここまで、タイにおける発達支援の課題や現状についてお伝えしてきましたが、もちろん、タイに全く支援がないわけではありません。

限られた選択肢の中でも、頼れる医療機関や教育機関、そしてボランティアグループなど、支援の手を差し伸べてくれる存在があります。

今回は、りょうこさんにご協力いただき、タイで発達支援が受けられる場所について教えていただきました。

医療機関での支援

サミティヴェート病院スクムビット

24時間・年中無休(日本語対応あり)
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発達行動小児科にて、心理発達検査、言語療法、作業療法、音楽療法などを提供。

保護者向けのトレーニングや、社会性トレーニングも実施しています。

バンコク病院

毎日 8:00~16:00
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小児発達神経科クリニックでは、ADHDやASDの支援、親へのサポート、グループ療育などを行っています。

バムルンラード病院

小児科:毎日 7:00~20:00
発達支援センター:平日(予約制)/ 土日(8:30~16:00)
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自閉症や発達遅延などのお子さんに対し、個別の力に合った支援プログラムを提供。

教育機関での支援

NewDays Learning & Therapy Clinic(NDL)

知的・発達障害を持つお子さんに向けた特別支援学校。

学業だけでなく生活スキルの習得にも力を入れています。

インターナショナルスクールの特別支援

一部のインターナショナルスクールでは、通常クラスに在籍しながら、専属スタッフによるサポートが受けられます。

ただし定員に限りがあるため、事前の確認が必要です。

日本語での支援グループ

OZの会

oznokai_bkk@yahoo.co.jp

発達が気になるお子さんの親同士で語り合い、情報交換を行うグループ。

夏祭りやクリスマス会など親子イベントも開催しています。

バンコクみんなの相談室

臨床心理士やカウンセラーによる相談が受けられる日本人向けの窓口。

基本のキ

月1回の対面開催で、発達や子育てについて話せる自助グループ。

臨床心理士・保育士・当事者の親などが関わっています。

りょうこさんのこれからの活動

今後、りょうこさんは日本から、タイ駐在中のご家庭向けにオンラインでのお話会や勉強会、個別相談を行っていく予定です。

また、タイ駐在前・駐在中・本帰国後まで切れ目なくサポートできるような情報サイトの立ち上げも準備中です。

さらに、幼稚園向けの研修もオンラインでスタート予定とのこと。

りょうこさん運営「colorful chips」Instagram

現地タイ・バンコクでは、引き続き有資格のスタッフさんが対面での支援活動を継続されています。

幼稚園訪問や先生向けの研修に加え、今後は日本語で対応できるシャドーティーチャー(加配スタッフ)の派遣にも取り組んでいきたいと考えておられるそう。

「私たちの支援は、子どもたち本人だけでなく、ご家族や教育の現場を含めた“まわりの環境”も含めたサポートを大切にしています。どうぞ、お気軽にご相談ください。」

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ぷくこ
大阪出身のタイ大好きブロガー。 かわいい雑貨が大好き。 バンコクの観光・生活・育児情報を分かりやすくをモットーに発信中! 楽天ROOMでタイ生活でのおすすめグッズを紹介してます。

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