こんにちは!Sunnysideです。
タイ旅とバンコク街歩きが大好きで、夫と2人の子どもたちとタイ国内を色々と巡り、77県中76県を訪れました。
今回は、毎年12月にカンチャナブリーで行われる「クウェー川鉄道週間」について紹介します。
クウェー川鉄道週間とは
クウェー川鉄道週間とは、カンチャナブリーのクウェー川に架かる橋「クウェー川鉄橋」周辺で毎年12月に行われる、赤十字のフェアのことです。
1980年に第1回目が開催され、今年で43回目。
非常に長く続いているイベントです。
公式サイトには記載がありませんでしたが、泰緬鉄道が開通した1943年10月(ショーの中では1943年12月25日と表現)を考慮して、この時期に行われているのだと思います。
このお祭りのハイライトは、クウェー川鉄橋のたもとで行われる、実際の鉄橋を舞台として行われるショー。
この鉄道と鉄橋が、どのような歴史をたどって今に伝わったのかがわかります。
ショーのほかにも、歌唱コンテストやミス・ピース・コンテスト、アーティストのコンサートなどが無料で観覧できます。
泰緬鉄道は日本とも非常に関わりの深い場所なので、この記事では、会場の様子だけでなく、ショーのストーリーについても、少し詳しく紹介していきますね。
2023年のスケジュール
2023年12月9日(土)~17日(日)
クウェー川鉄橋で行われるショーのスケジュール
- 12月9日(土) 19:00~開会式
- 12月10日(日) 19:00~・20:30~
- 12月11日(月) 19:00~・20:30~
- 12月13日(水) 19:00~
- 12月15日(金) 19:00~・20:00~
- 12月17日(土) 19:00~
- 12月17日(日) 19:00~
各回とも45~30分前に、会場に入場できます。料金は無料です。
ショーが行われる場所
ショーが行われるのは、カンチャナブリー市内のクウェー川鉄橋のところです。
クウェー川の北側から、クウェー川鉄橋のところにアクセスすれば、会場の場所がわかるかと思います。
東側に駐車場があったので、車で行く場合はそこに停めるのをオススメします。
また、線路に並行した道路沿いに、屋台がたくさん並んでいました。
クウェー川鉄橋周辺の様子
お祭り会場の周辺に着くと、道路にたくさんのトゥクトゥクが停まっていました。
周辺地域に宿泊する場合は、トゥクトゥクでも移動できそうですね。
私達は19時の回のショーを見る予定で、18時頃クウェー川鉄橋周辺に着きました。
その頃には既に列がズラリ。
どこに並べばいいのかとウロウロしていたら、スタッフさんが「外国人観光客はこっちだよ!」と、1列程度の列に案内してくれました。
整理券などはない様子だったので、並んで待ちましょう。
上の写真の、右側の白い椅子のところの前にはLEDスクリーンがあったよ。
ここでショーの様子がリアルタイムで見られるみたい。もし満席になってしまったら、ここで見よう
クウェー川鉄橋のところは、ライトアップされていました。
このクウェー川鉄橋は、ショーでも使用されるので、18時半頃には立ち入り禁止になっていました。
もし橋で写真を撮りたい場合は、少し早めに訪れておきましょう。
ショーの開始時間まで少し時間のゆとりがあったので、周辺で夕ご飯を調達。
ガイヤーン屋さん。いつも思うのですが、タイのガイヤーン、食べ歩きするにはサイズがデカいですよね。
カノムトーキョーの袋売りもありました。
タイのお祭りあるある、豚さんのミルクやり。この子たち、近隣の農園から集められるんですかね。
屋台エリアは、ショーの開始直前でも大勢の人でにぎわっていました。
18時15分頃、開場になったので、会場に入っていきます。
観覧席エリアにはトイレがなかったので、トイレは入場前に済ませておきましょう。ちなみにスタッフさんに声をかけておけば、再入場も出来ました。
トイレは周辺にあまりない印象だったよ。先ほどの駐車場のところか、レストランで借りよう
観覧エリアは、クウェー川鉄橋の左側にある、段差がある川辺のところに設けられていました。
クウェー川鉄橋が斜めに一望できる観覧エリア。ステージは、なんと川の上に設けられていました。
この、本物の設備を舞台の一部にしてしまうタイのショーセンスは素晴らしいですよね!
案内された座席には、英語・日本語・中国語の翻訳機つきのオーディオヘッドフォンがありました。先ほど外国人観光客の列に並んだのは、どうやらこのためのようです。
無料の席で、こういった外国人への配慮があるのはありがたいです。
ちなみにツマミをまわしてみたけど、英語以外は聞こえなかった。英語があるだけで十分だけど
ショーが始まる前に、重要な登場人物ならぬ乗り物である、蒸気機関車が登場。
大きな蒸気の音を鳴らして、ゆっくりと進む雄姿は大迫力!
この橋で、蒸気機関車を見ることができるのも貴重ですね。
カンチャナブリーの歴史とクウェー川鉄橋の物語
開始時刻になり、対岸にまばゆいばかりのライトが光り、物語が始まりました。
ストーリー冒頭では、カンチャナブリーの歴史やクウェー川周辺での暮らしが説明されます。
第二次世界大戦がはじまり、彼らの生活の背後にも争いの噂がささやかれるようになりましした。
1941年、タイ政府は日本がマレーシアへのルートとして、タイを通行することを許可しました。
タイは中立を宣言しましたが、徐々に日本からの強い軍事的圧力にさらされることになります。
そして、カンチャナブリーからミャンマーへと続く、総距離415キロメートルの泰緬鉄道の建設が始まりました。
当時の日本軍は、イギリス、アメリカ、オーストラリアなどの国々から約61,700人の連合軍捕虜を徴兵。
更に周辺諸国から数十万人の労働者を雇用しました。
鉄道の建設は絶え間なく進められ、過酷な労働環境の中で行われました。
スクリーンでは、難所として有名になったタムクラセー桟道橋の建設の様子が映し出されます。
そして1943年12月25日、ついに泰緬鉄道が完成。日本軍も捕虜たちも、鉄道の完成を祝いました。
映画「戦場に架ける橋」の「クウェー川のマーチ」の音楽とともに、汽笛を鳴らしながら蒸気機関車が悠々と橋を渡ってきます。
鉄道完成の、高揚した場面の演出は圧巻です。
「クウェーのマーチ」の曲がわからない人はこちらで聞いてみて。というか日本人は「サル♪ゴリラチンパンジー♪」と言えばわかるかもしれない…なんてひどい替え歌なんだ…
泰緬鉄道は1944年11月頃まで利用されましたが、連合軍の補給線を絶つための攻撃によって、最終的には破壊されてしまいます。
砲撃の花火が打たれ、真っ赤なライトとともにクウェー川鉄橋が燃え上がる姿は、大迫力です。
ここの爆撃のシーンはかなりの衝撃で、当時未就学児だったうちの子供は泣いてしまったよ。怖がりな人は要注意
燃えさかるクウェー川鉄橋。撤退する日本軍と、その後の戦争の終わりが描かれます。
平和の大切さを謳いつつ、華やかな花火でフィナーレを迎えます。
このショーで感動を覚えたのは、泰緬鉄道建設の悲惨さをしっかりと伝えつつも、なにかを一方的な悪として批判していないところ。
そしてどんな過酷なときでも、タイ人は親切な心を忘れず、国籍を越えて捕虜たちが支えあっていたことなどが描かれていました。
悲惨な歴史を伝えつつもエンターテイメントに昇華する、素晴らしい演出でした。
子供達は、カンチャナブリーを訪れたときに歴史の話もしましたが、こういうショーを見たことで、日本とタイの歴史がより実感をもって理解できたようでした。
まとめ
いかがだったでしょうか。
クウェー川鉄道週間のショーは、単純に見ごたえがあるだけでなく、私達日本人にとって縁が深い泰緬鉄道の歴史を、よりリアルに感じることができました。
カンチャナブリーはバンコクから少し遠いですが、この機にぜひ訪れてみてくださいね。
乾季のカンチャナブリーは、他にも見どころがいっぱいですよ!